雨が多くなり、気温が下がってくるこの季節になると、マドリード風コシード、アストゥリアス風ファバーダ、にんにくスープなど、スペインの冬の定番料理を味わいたくなりますよね。
スペインの冬料理:なぜ冬には「スプーン料理」を食べるの?
「comida de cuchara(スプーン料理)」とは、スペインで使われる表現で、主に伝統的でボリュームがあり、スプーンで食べる料理を指します。これらは深皿に盛られて提供されることが一般的です。
スープ、煮込み料理、シチューなど、だしやソースのある料理がその代表例です。
では、なぜ冬に多く食べられるのでしょうか?
外気温は私たちの食欲に影響を与え、特にどんな食材を選び、どのように食べるかに大きく関係します。そのため、寒い時期には、温かく、炭水化物や脂質を多く含む料理を選ぶ傾向があります。
この季節にスペインを訪れるなら、各地方ならではの冬のスプーン料理をぜひ試してみてください。体が温まるだけでなく、スペイン料理の奥深い魅力を発見できるでしょう。
スペインの冬料理トップセレクション
ここでは、スプーン一杯ずつ楽しめる、スペインの代表的な冬料理をいくつかご紹介します。あなたはどれを食べてみたいですか?
コシード(Cocido)

コシードは、スペインを代表する冬料理のひとつです。
主な材料はひよこ豆で、野菜、肉類、豚の脂身、ソーセージなどから取ったスープと一緒に煮込まれます。
もともとは庶民的で農村部に根付いた料理で、「プチェロ」とも呼ばれ、スペイン各地で作られています。地域ごとにバリエーションがあるのも特徴です。
最も有名なのはマドリード風コシードで、
1️⃣ まずスープ
2️⃣ 次にひよこ豆と野菜
3️⃣ 最後に肉類
という3段階(tres vuelcos)で提供されます。
レオン県ではコシード・マラガート、カンタブリアでは白インゲン豆とキャベツ、豚肉を使ったコシード・モンタニェスが食べられています。
バレンシア風コシードの特徴は、「ピロタス」と呼ばれる肉団子と、地域特有のソーセージ「ブランケット」が入っている点です。
レンズ豆の煮込み(Lentejas)

スペインには
「レンズ豆が出たら、食べたければ食べるし、嫌なら残す」
ということわざがあります。
このように、非常に好き嫌いが分かれる料理ですが、それでもスペインの冬を代表する料理のひとつです。
栄養価が非常に高く、鉄分や炭水化物が豊富なため、栄養士からも評価され、子どもから大人までおすすめされています。
作り方もさまざまで、野菜入り、チョリソ入り、じゃがいも入り、肉の煮込み、米と一緒になど、好みによってアレンジされます。
ファバーダ(Fabada)

ファバーダは、スペイン北部、特にアストゥリアス地方の代表的な冬料理です。寒く湿った気候の山岳地帯に根付いた料理です。
16世紀頃に誕生したとされ、大粒でクリーミーな豆「ファベス」の栽培と深く関係しています。
土鍋で調理されるアストゥリアス風ファバーダには、ベーコン、ハムの骨、チョリソ、モルシージャ(血のソーセージ)が使われます。
似た料理は他の地域にもあり、トロサ豆の煮込み、セゴビアのフディオネス、バレンシアの「arròs amb fesols i naps」、カタルーニャの「seques amb botifarra」などがあります。
リオハ風ポテト(Patatas a la riojana)

この料理はスペイン各地で食べられますが、特に内陸部(ラ・リオハ、カスティーリャ=ラ・マンチャ、カスティーリャ・イ・レオン)で親しまれています。
素朴ながら味わい深く、ぶどうの収穫後、寒い中での農作業を終えて帰宅した際に温まるために食べられていました。
一晩寝かせることで、さらに味が深まるとも言われています。
材料は、じゃがいも、チョリソ、乾燥ピーマン、パプリカパウダーで、赤みのある色が特徴です。
にんにくスープ(Sopa de ajo / Sopa castellana)

最も歴史のあるスペインの冬料理のひとつです。
特に厳しい寒さの時期には、朝食としてコーヒーと一緒に、卵を落とした熱々のスープが飲まれていました。
現在でも、硬くなったパンを活用する料理として人気があります。
作り方はシンプルで、硬いパン、にんにく、パプリカパウダーを炒め、肉のスープを加えます。
地域によっては、このにんにくスープに更に冬の名物であるきのこ(ソリア)や干しダラ(バスク地方)が加えられます。
オーブン焼きご飯(Arroz al horno)

一年中食べられますが、特に冬に人気の料理です。なぜならボリュームがあり、腹持ちが良いからです。
コシードの残り物を使う「節約料理」の代表例で、モルシージャ、チョリソ、豚のスペアリブ、トマト、じゃがいもが使われます。
土鍋で焼かれ、バレンシア州全体、特にシャティバなど内陸部の町で親しまれています。
アタスカブルラス(Atascaburras)

最後は、非常に興味深い由来を持つマンチャ地方の伝統料理「アタスカブルラス」について紹介します。
大雪で孤立した二人の羊飼いが、持っていたじゃがいもと干しダラを潰し、オリーブオイルを加えて作ったという伝説があります。
後に、更に他の材料(にんにく、ゆで卵、くるみなど)が加えられ、現在の形になりました。
この料理は非常に食べ応えがあり、寒さ対策に最適な料理です。
同じ地方には、モルテロエロ(ジビエ料理)やアホアリエロ(干しダラとじゃがいも)といった似た料理もあります。
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